にんにくガーリック

元気に小説を書きます。水曜日のお昼ごろ更新の予定。このブログの内容は、特別な記載がない限りフィクションです。

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

イワシスターズ 海底教会の福音

イワシスターズ 海底教会の福音 海底に建物が増えた。元は陸だった面影もなくなり、小さな亀裂を出入りできる小魚の住処となった。この狭い入り口が大きな魚を拒むので、食事に困らない間は、イワシたちが外敵のいない束の間の安息を味わう。内部は不規則に…

火弾の嵐! 狂乱のガソリン・スタンド

火弾の嵐! 狂乱のガソリン・スタンド 知っていることがある。 汲み取られた友は暗く狭いタンクに押し込められ、燃え尽きるまで人知れず機械を回すのだ。 知っていることがある。ポリ容器に連れられた友は、ある時は燃えるその熱を取られ、ある時は悪行の片…

【二次創作】カバレージ風創作デュエル カバまろ vs ニコル・ボーラス

【二次創作】カバレージ風創作デュエル カバまろ vs ニコル・ボーラス 埼玉県飯能市。自然に溢れるこの街で、1頭の生き物が立ち上がる。視線の先には金色の龍。「カバですメエ」誰に向けるでもなく、小さく呟く。正午の太陽はちょうど、湾曲した角の1本で隠…

悪魔将軍の休日

悪魔将軍の休日 地獄界72丁目。並ぶ家々のどれもが巨大になり、来客をまず迎えるのはさらに巨大な宮殿、悪魔将軍邸だ。新米配達員、矮小人間富岡はこの地区の担当を言い渡され、悪魔将軍邸への荷物を載せたバンを走らせてきた。 玄関の扉1枚だけで、彼の住む…

ブラック人間とホワイト死神 ── 第2話 魔弾の出社

ブラック人間とホワイト死神第2話 魔弾の出社 いくぜ。 「ねえ人間、君の勤め先はこの立派な百貨店かい?」「先にやることができたんだ。あと死神、マネキンにローブを着せるのはやめろ」常に一定の距離を維持する死神を引きずり、紙と封筒を買って、ベンチ…

海辺の旅館にただいま

海辺の旅館にただいま お知らせ この小説は若干のSUKEBEを含みます。 潮の匂いと、赤く照らす朝日。豊倉 七海(とよくら・ななみ)の朝はしばしば、テトラポットを温めて始まる。8月2日。今日は大切な人が海の向こうから帰ってくる日だ。指圧を中心に整体師の…

ブラック人間とホワイト死神 ── 第1話 後悔なき邂逅

ブラック人間とホワイト死神第1話 後悔なき邂逅 時計が指すのはすでに9時すぎ、今日の帰りは早いほうだ。雨は朝より勢いを増し、持つ傘を叩き落とされそうだ。成人祝いに貰った腕時計は、決まった時刻にメッセージを出す。夜10時のメッセージ、今日も一日お…

ドリル店長 vs ノコギロイドXXX

ドリル店長 vs ノコギロイドXXX 招待状 親愛なるドリル店長様へ梅の便りと共にこの度、新型のこぎりを実用化したので、披露パーティを執り行います。能古桐 宵蔵(のこぎり・よいぞう)より 階段を駆け上がる音。立ち上がり、手紙を読みかけたままポケットに入…

アイドルとトイレの関係

人口の集中により、トイレの数、そして流す水が足りない。連日あらゆるトイレの行列は途切れず、並びながらできる仕事はデキるビジネスマンの条件とも言われる。各地の水道管は悲鳴をあげ、ついには汲み取り式トイレが水洗式を上回る勢力となった。時はまさ…