にんにくガーリック

元気に小説を書きます。水曜日のお昼ごろ更新の予定。このブログの内容は、特別な記載がない限りフィクションです。

二次創作

『イニストラードを覆う百合の隆盛 3』

『イニストラードを覆う百合の隆盛 3』 潮風に煽られ買ったばかりのストールが飛ばされた。海にほど近い道からうっかり落ちれば拾う術はない。この身では浸透圧に耐えられないのだ。草の茂る土から離れ、慣れない岩肌を踏みしめた。幸いにも小岩の窪みに引っ…

二次創作『イニストラードを覆う百合の隆盛 2』

『イニストラードを覆う百合の隆盛 2』 このごろ悪い夢を見る。大切な人と身を寄せあう所に、誰かが武器を構えて襲ってくる夢だ。町のゴシップ屋によると実はいいことが起こる兆候らしいが、そういったいいことは起きていない。 何より私は孤立していた。同…

二次創作『イニストラードを覆う百合の隆盛 1』

スレイベンの町外れにある小屋には歳若い吸血鬼が住んでいると言われている。賢明な多くの者は近寄るどころか目を向けさえしなかった。元々がひっそりした場所であり、誰かが困るわけでもないので、噂話の他には誰も気に留めず、求めていた事情と合致した。 …

二次創作『オラクル教団の日記』

二次創作『オラクル教団の日記』 指導者を失った教団が崩壊し、辛うじて繋ぎ止めた者らを率い、あてのない放浪をしていた。物資も底をつきかけ、商店がなくては財の無用さがのしかかる。 かつてはこの地に街があったものだ。教団を憎む無法者が暴れまわった…

『ゴゴゴゴンベエ』4話 (4/4) 完

『ゴゴゴゴンベエ』4話 (4/4) 教室は噂で溢れていた。ゴンベエが着く頃には、すでに結論が囁かれていた。「机が増えてるってことは転校生じゃないかな」「他の教室には特になかったし」 噂はその通り、朝一番での話は転校生の紹介となった。夏休みの直前に、…

『ゴゴゴゴンベエ』3話 (3/4)

『ゴゴゴゴンベエ』3話 (3/4) ゴンベエはこう見えて思慮深い性格をしている。つい先日、歳上の無礼者がいることを知った。身近な年長者は丁寧な人ばかりだったので、テレビの外にもそんな人がいるのだと知った。そうなれば、マスク人間のような奴が他にもい…

『ゴゴゴゴンベエ』2話(全4話)

『ゴゴゴゴンベエ』2話(全4話) 大会の受付時間。これまでは理由もなく参加していなかったが、仲良くなったボウの思い出を聞き、興味が出てきたのだ。普段のローリングCでは大会をしていないので、別の店へと出向いた。ゴンベエとボウは一緒にエントリーを済…

『ゴゴゴゴンベエ デュエマのある日々』

『ゴゴゴゴンベエ』1話(全4話) 権藤ゴンベエは自転車を走らせ、地区カードショップ"ローリングC"へ向かっている。赤信号が普段より長く感じるこの日は2018年6月23日(土)。そう、『デュエル・マスターズTCG 拡張パック双極編第2弾 逆襲のギャラクシー・卍・獄…

デュエマ小説『読切学園の1日』

教師が授業の終わりを告げる。無人だった廊下がどっと賑やかになる。赤星 読桐子は目当ての人を探してラウンジへと向かい、思った通りそこに見つけた。エナメルバッグを台にして小さな本を読む、その正面に荷物を起きながら話しかけた。 「黄泉霧先輩、デュ…

【二次創作】龍装チュリスが龍装する前の話

「あんた何者で、特技は何だい?」「ね、ネズミ族で名前はアラン・チュリシー。で、特技は、えーっと‥‥」「おいおい、特技も無しに親分に会いたいってのかぁ?」 どこに行っても取り柄のないネズミへの風当たりは強い。自覚するほど腰は重いし、特別な技もな…

【二次創作】超次元温泉ガロウズ堂 2018年の商い

超次元温泉ガロウズ堂。かつてパンドラスペースと呼ばれた地を改造し、広大な慰安観光施設へと作り変えたという。中でもVIP専用施設、殿堂の間は、時と次元を超えてあらゆる風景を一望できる露天風呂を構える、絶景ポイントとして噂が流れていた。 咲き誇る…

【二次創作】禁断機関 海底工廠の意思

【二次創作】禁断機関 海底工廠の意思 遥かな地上で巨人が目覚める。海底のさらに深く、誰も知らない秘密の工廠。目覚めの衝撃はどこまでも届き、技術家たちがここに集う。「巨人と戦う武器を持て」「巨人が扱う武器を持て」「巨人の足止めをせよ」「巨人の…

【二次創作】カバレージ風創作デュエル カバまろ vs ニコル・ボーラス

【二次創作】カバレージ風創作デュエル カバまろ vs ニコル・ボーラス 埼玉県飯能市。自然に溢れるこの街で、1頭の生き物が立ち上がる。視線の先には金色の龍。「カバですメエ」誰に向けるでもなく、小さく呟く。正午の太陽はちょうど、湾曲した角の1本で隠…