にんにくガーリック

元気に小説を書きます。金曜日のお昼ごろ更新の予定。このブログの内容は、特別な記載がない限りフィクションです。

長く綺麗な髪を梳かす

 何ヶ月も何年も行列として並ぶ美しい髪々。
雨を受けては列が乱れ、風を受けては飛ばされそうになり、
そんな日々の一夜を覗いてみた。

 櫛を手に持ち、髪をだらりと垂らす。
大人しく重力に従って垂直なものは少なく、
お転婆に絡まり合って曲がりくねる。

髪の先を櫛の歯よりも短く取り、
絡まっていた先端を手首の動きで解く。
また根元に近づき、少しを解く。

遥か根元では、こっちはまだ来ないのかと震えているが、
長く進み続けた先頭はまだまだ遠い。
横入りはなし、前のグループから順番に。
それが我が家のルールだ。

次のグループを通す。また次を通す。
いよいよと思ったところで再びひと悶着、
櫛が前髪へと向かったのだ。
列が短い前髪は先頭がすぐ隣でじっと待っていた。
しかしいざそちらへ向かわれると、
どうしても肩すかしに感じてしまう。

一度ごとの量が減り、焦らされながら順番を待つ。
いよいよ最後尾の番だ。
櫛の歯が先頭までもう一度、ゆっくりと通る。
最後尾は傷のつきにくい安全な場所なので、
櫛や化粧油と触れる機会も少ない。

やがては後ろに並ぶ髪も増え、
先頭に近づいてゆくだろう。
その時は目の前に見ていた状況が自分にもやってくる。
髪の先頭寄りを軽く束ね、ふわりと床についた。