にんにくガーリック

元気に小説を書きます。水曜日のお昼ごろ更新の予定。このブログの内容は、特別な記載がない限りフィクションです。

『ゴゴゴゴンベエ』2話(全4話)

『ゴゴゴゴンベエ』2話(全4話) 大会の受付時間。これまでは理由もなく参加していなかったが、仲良くなったボウの思い出を聞き、興味が出てきたのだ。普段のローリングCでは大会をしていないので、別の店へと出向いた。ゴンベエとボウは一緒にエントリーを済…

『ゴゴゴゴンベエ デュエマのある日々』

『ゴゴゴゴンベエ』1話(全4話) 権藤ゴンベエは自転車を走らせ、地区カードショップ"ローリングC"へ向かっている。赤信号が普段より長く感じるこの日は2018年6月23日(土)。そう、『デュエル・マスターズTCG 拡張パック双極編第2弾 逆襲のギャラクシー・卍・獄…

デュエマ小説『読切学園の1日』

教師が授業の終わりを告げる。無人だった廊下がどっと賑やかになる。赤星 読桐子は目当ての人を探してラウンジへと向かい、思った通りそこに見つけた。エナメルバッグを台にして小さな本を読む、その正面に荷物を起きながら話しかけた。 「黄泉霧先輩、デュ…

本日おやすみのお知らせ

ウイルス性か細菌性の胃腸炎に感染したようで、 今日の更新はおやすみです。 体調はそろそろよくなってて、 あとはごはんをしっかり食べて、睡眠時間を戻して、 元通りまたは元以上に整える時期です。 お医者さんがおやすみの日だからおうちで寝てただけなの…

『正義の球拳 フジツボクサー来日』

『正義の球拳 フジツボクサー来日』 フジツボクサーが日本にやってくる。その知らせに誰よりも慄いたのは吉本光一だ。幼くして両親を亡くし、養護施設で育てられた。格闘技の試合中継を楽しんでいたが、フジツボクサーだけは、事故を強烈に想起させるので見…

『パンを食った少女』

『パンを食った少女』 槍を支える兜の下で、蛇のように鋭い眼がさらに鋭く光った。「そこな少女よ、立ち止まれ。抱えたバスケットの中身を見せてもらってもよろしいかな」声をかけられたと気づくと、エレンの脚にさりげなく力がこもる。傷みこそあれど生地を…

東京都練馬区の守護者、ネリマスター

『東京都練馬区の守護者、ネリマスター』 (この物語はフィクションです。) 春は別れと出会いの、終わりと始まりの、新生活の季節だ。相原よしおもまた校門の前で写真を撮り、クラス分けを確認し、2組へ向かう。ここには見知った名前が1人しかいなかったので…

『ヤドカリプス 地球最大の生命』

『ヤドカリプス 地球最大の生命』 宿を借りるからヤドカリなど過去のもの。今では平野(ヤード)を駆るからヤドカリだ。 ロケット・エンジン点火!現代ヤドカリの間では速さと技術を競う、P1グランプリが定着している。整備されたサーキットを3周する時間を競…

正義の炎弾 フジツボルケーノ咆哮

『正義の炎弾 フジツボルケーノ咆哮』 フジツボたちが炎を吐いた。海中でも構わず燃えさかる炎が、かつての天敵イボニシを料理する。 フジツボは元々、移動を伴わずに生殖相手に届くため、大海原でも名の知れる長い生殖器を持っている。その隣にもう1本2本と…

『クレヨン国民、移ろう時代を眺める』

『クレヨン国民、移ろう時代を眺める』 クレヨン国民は怒っていた。誰もが万全な準備を整えているまま、出番もなく飼い殺しにされ続けている。最も信頼されていたと自負するレッドは、これまで渡り歩いた地に想いを馳せ、最後に王と出会った日を振り返った。…

カビキラーキラー

『カビキラーキラー』 クロカビ次郎は考えていた。同胞を殺すための兵器、カビキラーによって数多くの仲間が失われていった。チャノマ・グラウンドから極地まで、カビ一族による世界征服を邪魔立てする敵を制圧する。やがては実現する目標のため、あらゆる手…

4月6日と13日はお休みをします。

ツイッターだけで肝心のブログに書き忘れてしまってごめんよ。 体調の翳りを察知したので、6日と13日の2週間分をお休みします。 これを後から書いてる8日の時点でそこそこの回復をしてるので、 書き溜めによるお休み貯金を多めにできるといいな。 カテゴリー…

長く綺麗な髪を梳かす

何ヶ月も何年も行列として並ぶ美しい髪々。雨を受けては列が乱れ、風を受けては飛ばされそうになり、そんな日々の一夜を覗いてみた。 櫛を手に持ち、髪をだらりと垂らす。大人しく重力に従って垂直なものは少なく、お転婆に絡まり合って曲がりくねる。 髪の…

強風で傘が曲がった

雨が振っていても、今日はこれから出かけるのだ。犬の模様が描かれた傘を抱え、家から飛び出す。高級品とは言えないものの、3年以上も、私を雨から守ってくれたお気に入りの傘だ。 その傘にとって危険なのは、叩き鳴らす雨ではなく、押し揺らす風。風に対し…

カントリーマアムを食べる

棚の中に待つ暗黒、その狭い入り口を手で弄り、無雑作に織りなす触感のひとつ、その一部を2本の指で捕らえた。白日の元に晒された小袋を持ち去り、私の特等席へと運び出す。 赤色の袋、不確かな色覚が赤として知る色をまずは目で楽しむ。象牙色の飾り文字を…

【二次創作】龍装チュリスが龍装する前の話

「あんた何者で、特技は何だい?」「ね、ネズミ族で名前はアラン・チュリシー。で、特技は、えーっと‥‥」「おいおい、特技も無しに親分に会いたいってのかぁ?」 どこに行っても取り柄のないネズミへの風当たりは強い。自覚するほど腰は重いし、特別な技もな…

昨今の流行、勇者の言葉に対する魔王の答え

底の見えない断崖を背負い、魔王の居城が歓迎する。 扉をくぐると目の前には一面の階段、そしてその先から声が届く。「いらっしゃいませ。どのようなご用件かな」 穏やかな歓迎に対し、「いよいよこの時が来たな、魔王!」勇者の言葉が天井高くまで響く。 「…

アーケイヴンの酒場

片側が外れたウェスタンドアの先に、酒盛りをする集団と離れて、歌人がひとり竪琴を構える。月光に照らされた特等席が、特別な存在と醸し出す。歌人は新たな来客を認めると、着席を待って口を開いた。 はるかな昔、はるかに遠く、翳り輝く異国の地。ある男の…

【二次創作】超次元温泉ガロウズ堂 2018年の商い

超次元温泉ガロウズ堂。かつてパンドラスペースと呼ばれた地を改造し、広大な慰安観光施設へと作り変えたという。中でもVIP専用施設、殿堂の間は、時と次元を超えてあらゆる風景を一望できる露天風呂を構える、絶景ポイントとして噂が流れていた。 咲き誇る…

喫茶 囁き

コーヒーを飲みながら、人の囁きを聴く。喫茶店を渡り歩き、所によって異なる人の傾向が、新しい視点を貸してくれる。 物事に行き詰まったとき、こうして視点をリフレッシュすると、思わぬ解決の糸口が見えてくるのだ。 今日は都会の日曜日、カップルが近く…

固有の超能力で争い以外をする話

固有の超能力で争い以外をする話 目覚まし時計が騒ぎ出す。たかし小学3年生は目覚まし時計に屈せず眠ろうと頭まで布団で覆う。が、母親の参戦により布団を失い、あえなく起きるのだった。 コーンフレークと牛乳の朝食を済ませて、会話もそこそこにランドセル…

【二次創作】禁断機関 海底工廠の意思

【二次創作】禁断機関 海底工廠の意思 遥かな地上で巨人が目覚める。海底のさらに深く、誰も知らない秘密の工廠。目覚めの衝撃はどこまでも届き、技術家たちがここに集う。「巨人と戦う武器を持て」「巨人が扱う武器を持て」「巨人の足止めをせよ」「巨人の…

【三次創作】イッシュ地方を包む閃光

【三次創作】イッシュ地方を包む閃光 シッポウシティ・カフェ ソーコ 賑わう昼下がり。喧騒で話を隠すにちょうどいい。ひとつだけ残る空席に、2人の女性が荷を置いた。 注文を済ませて片方、黒髪のリエが先に話す。「あんたが恋バナに誘うって珍しいね」高校…

1月16日 火曜日 お知らせ

面倒なことを放置してはだめ、まずは面倒じゃなくしてからだ。 そういうスタンスなので、更新を週に1回、金曜日にします。週に2回に戻すのがいつになるか、見通しはまだです。 風邪とか病気・怪我はないので安心してね。そうじゃない中でこの現状が危ないと…

仲良しトリオの女子会 ヘテロとビアンと、これから知る者

仲良しトリオの女子会 ヘテロとビアンと、これから知る者 第4日曜日の、午後1時30分。3杯のパフェを並べ写真に収めて、女子会の本番が始まる。「今月もがんばりましたの会、乾杯っ」客入りのまばらな時間帯なので、控えめな挨拶。そしてスプーンがパフェに向…

1月9日 火曜日 お知らせ

今日の更新をお休みにします。体調の変化サイクルの観察をしてみるために、しばらくの間、火曜日の更新を隔週で不定休にします。次の火曜日は、1月16日の予定です。その次の1月23日は不定休の週、体調次第で更新するかお休みするか、今はなんとも言えません…

【作詞】ドロップ・ザ・ゲンコ

ドロップ・ザ・ゲンコ4/4 八分音符=100 ほがらかに バンバン ドロップ ゲンコがドロップ意味など無いとは わかっていてもできる他のこと 見つからなくってついついついつい やっちゃうよ エンエン ドロップ ゲンコがドロップもう危ないとは わかっているけど…

保安官ジミー、幼少の決意

保安官ジミー、幼少の決意 銃声ふたつと、短い悲鳴ふたつ。ベッドの下に隠れるジミーにも届いた。食事の途中、強盗が押し入る音を聞き、寝室に隠れるよう言いつけた両親はそのまま入ってこない。ジミーは届いた音から想像してしまう。ベッドの下に隙間は片側…

イワシスターズ 海底教会の福音

イワシスターズ 海底教会の福音 海底に建物が増えた。元は陸だった面影もなくなり、小さな亀裂を出入りできる小魚の住処となった。この狭い入り口が大きな魚を拒むので、食事に困らない間は、イワシたちが外敵のいない束の間の安息を味わう。内部は不規則に…

火弾の嵐! 狂乱のガソリン・スタンド

火弾の嵐! 狂乱のガソリン・スタンド 知っていることがある。 汲み取られた友は暗く狭いタンクに押し込められ、燃え尽きるまで人知れず機械を回すのだ。 知っていることがある。ポリ容器に連れられた友は、ある時は燃えるその熱を取られ、ある時は悪行の片…