にんにくガーリック

元気に小説を書きます。金曜日のお昼ごろ更新の予定。このブログの内容は、特別な記載がない限りフィクションです。

『イニストラードを覆う百合の隆盛 3』

『イニストラードを覆う百合の隆盛 3』 潮風に煽られ買ったばかりのストールが飛ばされた。海にほど近い道からうっかり落ちれば拾う術はない。この身では浸透圧に耐えられないのだ。草の茂る土から離れ、慣れない岩肌を踏みしめた。幸いにも小岩の窪みに引っ…

『危ないオバサン 3』

『危ないオバサン 3』 脈々と受け継いできた秘術により、見事ドラゴン・オバサンの撃退に成功した。表彰式を行う埼玉県川越市から遠く離れた福井県鯖江市にて、ガンリキ・オバサンがすべてを見ていた。かつてない遠距離からの狙撃は場所の特定を困難とし、防…

二次創作『イニストラードを覆う百合の隆盛 2』

『イニストラードを覆う百合の隆盛 2』 このごろ悪い夢を見る。大切な人と身を寄せあう所に、誰かが武器を構えて襲ってくる夢だ。町のゴシップ屋によると実はいいことが起こる兆候らしいが、そういったいいことは起きていない。 何より私は孤立していた。同…

二次創作『イニストラードを覆う百合の隆盛 1』

スレイベンの町外れにある小屋には歳若い吸血鬼が住んでいると言われている。賢明な多くの者は近寄るどころか目を向けさえしなかった。元々がひっそりした場所であり、誰かが困るわけでもないので、噂話の他には誰も気に留めず、求めていた事情と合致した。 …

『恐怖!猿を落とす木!』

『恐怖!猿を落とす木!』 ここ数週間で聞くようになったニュースがある。猿が現れ、通行人を襲うらしい。特に子供と女性を狙うようで、武器を持つなどの対策を怠らないように。 一体どこから現れたのか。いままで猿がいなかった地域に、誰かが持ち込んだの…

『危ないオバサン 2』

『危ないオバサン 2』 あらすじ飯能軍の活躍により、全身弾力性のバウンディング・オバサンは撃破された。しかしそれを皮切りに、新たなオバサンが目覚めてしまった。毎月15日の埼玉デパートでは相変わらずバーゲンセールをしている。その場に現れ、天空から…

百合『スマート・ペアリング』

登場人物紹介亀有 枢子 (かめあり・すうこ)ゆったりした服装を好む。喧嘩になっても近くに来ると空気が和らぐ、俗に言うムード・メイカー休日はよく土地巡り(さんぽ)をする。IQは127 有川 墨芽 (ありかわ・すみめ)ビシッと決めた服装を好む。パンツスーツや…

二次創作『オラクル教団の日記』

二次創作『オラクル教団の日記』 指導者を失った教団が崩壊し、辛うじて繋ぎ止めた者らを率い、あてのない放浪をしていた。物資も底をつきかけ、商店がなくては財の無用さがのしかかる。 かつてはこの地に街があったものだ。教団を憎む無法者が暴れまわった…

『正義の海域フジツボシャーク』

『正義の海域フジツボシャーク』 豪華客船への招待状を送った。もちろん本命はこの中の1通だ。 サークルで世話になったあの子と運命的にロマンチックな再会をする、これが果たすべき使命なのだ。 表向きには姉の結婚式としている。しかしそのついでに、同窓…

『隣の遠景見聞録』

『隣の遠景見聞録』 今回の主な登場人物・タマエモンザブロウ:ねこ・男性・月宮巳甘:ムカデ人間・女性・森下結衣:グール・女性 たまえ・1 土を破り出づる白と茶に輝く毛並みが立ち上がった。 スラリ長い四肢を獅子のごとく誇るその名はタマエモンザブロウ…

『エスカレーターを歩いた奴は死刑』

『エスカレーターを歩いた奴は死刑』 コウサクはコールド・スリープから目覚めた。予定通りの2037年、この時代ならば治療技術も確立しているだろう。自力で氷山を降り、都市を探した。恐竜が見当たらないためか、歩きやすい道のりだった。 コウサクの目に飛…

2306字『危ないオバサン』

『危ないオバサン』 今月もバーゲン・セールが始まった。埼玉デパートが誇る世界最大の駐車場都市はワゴン車で埋め尽くされ、各地から集まったオバサンが睨み合っている。今年はデパート側も想定外の、熱線による無差別爆撃がある。これを生き残るため、本来…

『続 働かざるもの食うべからず』

『続 働かざるもの食うべからず』 前回http://tamanegionion.hatenablog.jp/entry/2018/08/03/135836 ムカデ人間の社長・月宮巳甘は歩きながら物思いに耽っていた。社員を取り巻く状況はすでに順調で、ここからさらに上を目指すには。散歩コースからひとつ隣…

『3次創作 アークライト教授の部屋』

『3次創作 アークライト教授の部屋』 律儀な3回ノックでドアが開いた「失礼します、アークライト教授」句点まで打って手を休め、顔をあげた。「俺の研究室に何の用かな?」「はじめまして、私はソフタ・イフカイノといいます」教授の返事は素っ気ないものだ…

『美女とモルディギアン』

行列を尻目に関係者口を通った。森下結衣は控え室へと向かう。胸を張って、道の真ん中を堂々と。駆け出しだろうと、心は一流のベテランのつもりでやれ。先生の教えをよく守っている。 ノックして扉を開けた。空いた椅子が多く、荷物もない。演者らしき者は2…

『働かざる者食うべからず』

『働かざる者食うべからず』 新しい社訓は「働かざるもの食うべからず」だ。入社と同時に社長が変わったので、去年までに調べた内容が一気に覆った。何が起こるか考えたくもない。しかしいきなり転職活動をする勇気があるわけでもない。やってみて、厳しかっ…

『脱いだらすごいんです 2』

『脱いだらすごいんです』 高嶺の花だと思っていた彼女と隣の席になってしまった。皆はビールや日本酒を注文する中、彼女は恥ずかしそうにウーロン茶を頼んだ。お酒が苦手でもいいんだと言い合う中、僕は悪いことをしているような気がした。無理して飲みの席…

『ダチョウ人間を討て!』

『ダチョウ人間を討て!』 表彰台を頂まで登る感覚が全身に焼き付いている。滴る汗も、筋肉を揺さぶるリン酸も、すべてを忘れて勝利に酔い痴れた日。1ヶ月が過ぎても、2ヶ月が過ぎても、部屋に戻ると思い出す。 それ故に、底なしの怒りが沸きあがる。大規模…

『ゴゴゴゴンベエ』4話 (4/4) 完

『ゴゴゴゴンベエ』4話 (4/4) 教室は噂で溢れていた。ゴンベエが着く頃には、すでに結論が囁かれていた。「机が増えてるってことは転校生じゃないかな」「他の教室には特になかったし」 噂はその通り、朝一番での話は転校生の紹介となった。夏休みの直前に、…

『ゴゴゴゴンベエ』3話 (3/4)

『ゴゴゴゴンベエ』3話 (3/4) ゴンベエはこう見えて思慮深い性格をしている。つい先日、歳上の無礼者がいることを知った。身近な年長者は丁寧な人ばかりだったので、テレビの外にもそんな人がいるのだと知った。そうなれば、マスク人間のような奴が他にもい…

『ゴゴゴゴンベエ』2話(全4話)

『ゴゴゴゴンベエ』2話(全4話) 大会の受付時間。これまでは理由もなく参加していなかったが、仲良くなったボウの思い出を聞き、興味が出てきたのだ。普段のローリングCでは大会をしていないので、別の店へと出向いた。ゴンベエとボウは一緒にエントリーを済…

『ゴゴゴゴンベエ デュエマのある日々』

『ゴゴゴゴンベエ』1話(全4話) 権藤ゴンベエは自転車を走らせ、地区カードショップ"ローリングC"へ向かっている。赤信号が普段より長く感じるこの日は2018年6月23日(土)。そう、『デュエル・マスターズTCG 拡張パック双極編第2弾 逆襲のギャラクシー・卍・獄…

デュエマ小説『読切学園の1日』

教師が授業の終わりを告げる。無人だった廊下がどっと賑やかになる。赤星 読桐子は目当ての人を探してラウンジへと向かい、思った通りそこに見つけた。エナメルバッグを台にして小さな本を読む、その正面に荷物を起きながら話しかけた。 「黄泉霧先輩、デュ…

本日おやすみのお知らせ

ウイルス性か細菌性の胃腸炎に感染したようで、 今日の更新はおやすみです。 体調はそろそろよくなってて、 あとはごはんをしっかり食べて、睡眠時間を戻して、 元通りまたは元以上に整える時期です。 お医者さんがおやすみの日だからおうちで寝てただけなの…

『正義の球拳 フジツボクサー来日』

『正義の球拳 フジツボクサー来日』 フジツボクサーが日本にやってくる。その知らせに誰よりも慄いたのは吉本光一だ。幼くして両親を亡くし、養護施設で育てられた。格闘技の試合中継を楽しんでいたが、フジツボクサーだけは、事故を強烈に想起させるので見…

『パンを食った少女』

『パンを食った少女』 槍を支える兜の下で、蛇のように鋭い眼がさらに鋭く光った。「そこな少女よ、立ち止まれ。抱えたバスケットの中身を見せてもらってもよろしいかな」声をかけられたと気づくと、エレンの脚にさりげなく力がこもる。傷みこそあれど生地を…

東京都練馬区の守護者、ネリマスター

『東京都練馬区の守護者、ネリマスター』 (この物語はフィクションです。) 春は別れと出会いの、終わりと始まりの、新生活の季節だ。相原よしおもまた校門の前で写真を撮り、クラス分けを確認し、2組へ向かう。ここには見知った名前が1人しかいなかったので…

『ヤドカリプス 地球最大の生命』

『ヤドカリプス 地球最大の生命』 宿を借りるからヤドカリなど過去のもの。今では平野(ヤード)を駆るからヤドカリだ。 ロケット・エンジン点火!現代ヤドカリの間では速さと技術を競う、P1グランプリが定着している。整備されたサーキットを3周する時間を競…

正義の炎弾 フジツボルケーノ咆哮

『正義の炎弾 フジツボルケーノ咆哮』 フジツボたちが炎を吐いた。海中でも構わず燃えさかる炎が、かつての天敵イボニシを料理する。 フジツボは元々、移動を伴わずに生殖相手に届くため、大海原でも名の知れる長い生殖器を持っている。その隣にもう1本2本と…

『クレヨン国民、移ろう時代を眺める』

『クレヨン国民、移ろう時代を眺める』 クレヨン国民は怒っていた。誰もが万全な準備を整えているまま、出番もなく飼い殺しにされ続けている。最も信頼されていたと自負するレッドは、これまで渡り歩いた地に想いを馳せ、最後に王と出会った日を振り返った。…